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哀しすぎて笑うしかない 『アンダーグラウンド』

「アンダーグラウンド」

1995年のカンヌ映画祭でグランプリ(パルム・ドール賞)を受賞した作品が
デジタル・リマスターされて復活しました。

エミール・クストリッツァ監督の傑作で、私の最愛の映画です

日本初公開が1996年なので、今から16年前に確か渋谷のシネマライズで観た記憶があります。
とにかくもの凄い映画でした。

この映画が今日から一週間限定で上映されると知って、いそいそと観に行ってきました。
(大分の方は、大分市のシネマ5で7/13(金)まで上映中です)


3時間近い上映時間、旧ユーゴスラヴィアの第二次世界大戦から
ユーゴ内戦までの50年間の歴史を描いていると、それだけで腰が引けそうですが、

映画は、ドタバタでハチャメチャでブラスバンドのハイスピードな音楽と共に疾走していきます。
映画全体が、祝祭とでもいうかのような非日常のエネルギーに満ちあふれています。


パンフレットに書かれた作品紹介は

ナチ占領下のセルビアを舞台に、パルティザン(?)として活躍する男のいい加減なアイディアで、
敵の目をあざむく為、広大な地下世界(アンダーグラウンド)へ避難し、
戦争後も人知れず50年もの間生活していた人々の群像劇。
政府の要職についたサギ師、武闘派の電気工事技師、美貌の舞台女優3人による
恋と裏切りに満ちた半世紀の物語を軸に、戦争やカオス的コメディーに仕立てあげた作品。


実はDVDも持っていますが、
このリマスター版は見違えるように色鮮やかになったことにまず驚きました。
そして大スクリーンに圧倒されながら、あっという間に最後まで突き進んでいったのは
16年前と変わりませんでした。


・小国として常に周りに攻め込まれ蹂躙され続けてきた歴史、
・「モザイク国家」と名付けられた人種、民族、宗教の複雑さ、
・共産主義国家の崩壊から民族主義の台頭による内戦 

など、どれを取っても日本に重なる要素が少ない国の映画ですが、
私はこの映画に出会ってから、ユーゴ内戦や
ヨーロッパの火薬庫」といわれるバルカン半島の歴史、
旧ユーゴスラヴィアやブルガリアなどの中欧に多く暮らすロマ(ジプシー)と、
この映画のもう一つの主役といえるロマの音楽などに関心を持つようになりました。

そう考えても、私にとって人生に影響を与えた映画の一本と言ってよいでしょう。


思い出してみると、この映画を観る一年前に、旧ユーゴを訪れています。
というよりは通過しています。

最初に海外旅行に行ったトルコが気に入って、数ヶ月後お金もないのに、また行こうと思い立ち
次は直接行くのは、つまらないと思ってハンガリーからトルコ入りすることにしました。

ハンガリー~ユーゴスラヴィア~ブルガリア~トルコへと走る
バルカンエクスプレスという夜行特急列車に乗ることにしたのです。
本当に貧乏旅行だったので、途中下車できず30時間乗っているだけでした。

ハンガリーから旧ユーゴ圏へ国境を越す時に、
機関銃を携えた若い軍人がパスポートをチェックしに客室に現れ、
(当時まだユーゴ内戦の真っ最中だったので)
こちらも緊張しながらパスポートを渡したら、調べ終わって、去り際に
「サーヨナラッ!」とあいさつされて驚きました。

旧ユーゴスラヴィアと日本の間ではヴィザが必要なかったり(ハンガリー、ブルガリアは必要でした)
実は色々とつながりが深い分野もあったそうですが、そういうこともあまり知られていません。


今回観て前回よりも身につまされたシーンが

映画の終盤、ドイツの精神病院に入院していたイヴァンが、ユーゴスラヴィアへ戻ろうと
地下通路にもぐり、そこに通りかかった国連の車に
「ユーゴスラヴィアへ行きたい」と訴えると
「もうユーゴスラヴィアは存在しない」と。


この映画のメインテーマも「昔、ある所に国があった。」


国が消滅してしまうこともあるんだなあ、と他人事に思ったのも今は昔。


最近、福島県で猛毒で半減期24,000年のプルトニウムが
広範囲に飛散
しているのが明らかになりました。
六ヶ所村の再処理工場や、使用済み核燃料を多量に保管している原発が国中に存在し
安全性も担保されぬまま、順次原発を再稼働しようとしている動きなど
世界有数の地震多発地帯の上に、多量の有害物質が温存され続ける状態です。
将来的に日本という国全体が立ち入り禁止区域になるような危険性もないとは言えないでしょう。

「昔、ある所に国があった。」
どこか遠い国の話ではないかもしれません。



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プロフィール

ハラジュンリョウ

Author:ハラジュンリョウ
大分市明西寺住職。
1972年生まれ。
武蔵野美術大学彫刻学科卒業。

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