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「私はだまされない」養老孟司講演会


India , 1999

去る5月27日大分県で消費者月間にちなみ

解剖学者の養老孟司さんの講演会
『人はなぜだまされるのか?』
が開催されました。

講演で印象に残ったところをご紹介します。



世界的にみて、日本人のいいところが2つある。
1)時間通りに来る。
2)言った通りにやる。

ということは海外では、時間を守らないし、約束も守らないわけです。

日本人は律儀なので、だまされやすい。
信じるから、だまされる。

私は、だまされないんです。

それは、
人の言うことを信じないから

なぜ信じなくなったか?
日本の敗戦のときに分かった。

日本は神の国で絶対に負けないと皆言っていたのに、負けてしまった。
世間の人の言うことはあてにならないという風に思うようになった。

何を聞いても「信じる」のではなく「そう思っている人がいる」と受け取る

日本人の8割が無宗教というが
その「無」は仏教の概念です。
般若心経の1割くらいが「無」の字です。

信じていないという人も「私は何も信じていない」ということを信じているのです。
誰も「信じる」ことから逃げられない。

自分が進学していく上で、人文系の学問は学ばなかった。
信用できないので。

初めて解剖をした時、人生で初めて心が落ち着いた。
それは、嘘がない世界だから。
遺体は嘘をつかない。
切り刻まれても、そのまま状態であるのみ。


日本では、席につけば黙っていてもお茶が出てくるが
アメリカに行くと、コーヒーかお茶か?と常に聞かれ
常に自分で選択しなければならない。

戦後、滅私奉公と自分を殺して働いてきて
自分で物事決めないように子育てしてきたのに
急に「自分さがし」とか個性とか分かるわけがない。


環境庁が環境省に格上げされたということは
「環境」がついに市民権を得たということ

環境は私なんです。
空気を吸って、水を飲んで、野菜を食べる。
田んぼの稲穂を指して、学生にあれがお前だ、というときょとんとしているが
食べた米が私になるんだから、米も私。
だから、環境問題は私の問題。

自殺者が増えたということは、他人のことを考える人間が減ってきたということ。
自殺して困るのは、自分以外の周りの人間なので、そこを考えないと。

トラウマのような経験が悪いわけではない。
直りさえすればいい。
何も傷つかないのも底が浅くなる。


ナチスの強制収容所の生存者で
『夜と霧』を書いた精神科医のヴィクトール・フランクルが言うには、
他人(患者)が自分の人生の意義を発見する手伝いをしてくれるので、
「人生の意味は自分の中にはない」
つまり他者とのつながりの中にこそ人生の意義がある。

夜と霧 新版夜と霧 新版
(2002/11/06)
ヴィクトール・E・フランクル

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だまされて金を巻き上げられたら、授業料と考えるしかない。
無駄なお金を使わないと学べないし、
一度だまされたら、次はだまされない。

お金も貯め込んではいけない。
必要な分だけしか印刷していないので、
誰かが貯めている分、どこかで足りなくなっている。

全てつながっているんです。





テーラワーダ仏教(上座仏教)のアルボムッレ・スマナサーラ長老
養老孟司さんとの対談『希望のしくみ』のあとがきで
養老氏の著書を読んだときの感想を述べています。

「それはまさに驚きでした。純粋に現代科学的なアプローチで、
 ブッダが語り続けていた真理のいくつかに達しておられた。

 仏教の困難を「バカの壁」ゆえと喝破しておられた。
 真の知性を現代に得て、皆様は幸せというべきでしょう。」

希望のしくみ (宝島社新書)希望のしくみ (宝島社新書)
(2006/06/13)
アルボムッレ・スマナサーラ、養老 孟司 他

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具体的な詐欺の事例を挙げたりすることなく
物事の受け取り方、見方など全てに応用可能なことを伝え、
最後に「あとは自分で考えてください」と去っていかれた姿も
(有識者の意見でも)鵜呑みにしないことが、だまされないことですよと示しているようで、
まさに先生とはこういう方のことだと納得したのでした。


生きとし生けるものが幸せでありますように
このブログを読んでくれたあなたが幸せでありますように
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プロフィール

ハラジュンリョウ

Author:ハラジュンリョウ
大分市明西寺住職。
1972年生まれ。
武蔵野美術大学彫刻学科卒業。

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