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「袈裟」聖なるパッチワーク

袈裟をかけられた仏像
Cambodia , 2005

「袈裟」(けさ)というと、僧侶の衣のことですが、

もともとは「濁った色」「赤褐色」という意味のカシャーヤ(Kasaya)を音訳した「色」の意味です。
ですから「袈裟色の衣」が略して「袈裟」です。

インドで女性がまとうサリーと同様、大きな長方形の一枚布です。
日常用、訪問用など用途に合わせて三種類あります(三衣)

(今では新品の布で作った袈裟を買うこともできますが)
袈裟のつくり方はお釈迦さまの時代から細かな約束事が決められています。

原材料の布は、
墓地に捨てられていたもの、死体を包んでいたもの、ネズミに喰われたものなどのボロ布。
それを小片に切って縫い合わせ、手近な草木で染めました。


なぜ、ボロ布を集めて、濁った色に染めるかというと、
価値をなくすためです。

欲がでないように、執着しないようにするため
つまりは、心を清らかにするための地味な衣類です。
そのような目的で作られた衣は他にありませんので、やはり聖なる衣です。


袈裟は、就寝時には毛布代わりにもなったり、実用的な衣類でしたが、
仏教が中国・日本へと伝わっていくにつれて、華美になり装飾的になっていきます。

なぜか?

「寒かったからです」

インドのように温暖な気候と違い、袈裟だけでは寒かったため
袈裟の下に衣を着るようになりました。
衣が法衣となり、袈裟はその上に羽織る形式的なものになったため
実用から離れ「小型化」「装飾化」していきます。


「小型化」は袈裟で体を覆う必要が無くなったためで
現在の日本の仏教界では、輪袈裟と称するネクタイ程のサイズの
首からかける簡略な袈裟を日常的に使用しています。

その一方で「装飾化」が進みます。儀式用に金糸をふんだんに使ったり
細かな刺繍など、どんどん豪華なものに変貌していきます。
袈裟のステージ衣装化といえます。

女性の絢爛な帯で知られる「西陣織り」を身につける男なんて
歌舞伎役者以外では、坊さんくらいしかいないでしょう。


お釈迦さまが執着しないように制定した袈裟
執着の対象になってしまったところに人間の業の深さを感じますね。
いや、坊さんの業の深さでしょうか。



以前、声明(しょうみょう)という伝統的なお経をホールで聴衆に披露するイベントがあり、
私も声明の師匠に声をかけられ、参加しました。

本番前のリハーサルの時、参加者(僧侶)の一人が参加を記念して
門徒(檀家)の方から高価な七条袈裟を寄進してもらった、というのを聞いて
(浄土真宗の場合、百万円くらいの七条袈裟はザラにあります)

私がすかさず
「ひどい話だな、それ」と感想をもらしたら
 周りにいた数人の僧侶がみな
「なんで?いい話だろ?」と口を揃えて言うので
 すごく違和感があったのを憶えています。

まあステージ衣装と考えれば、その感覚を理解できないこともないですが、


なぞかけに

「坊さんとかけて、天ぷらととく」
「そのこころは?」

「衣で勝負!」


中身で勝負しなくちゃね。


生きとし生けるものが幸せでありますように
このブログを読んでくれたあなたが幸せでありますように

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プロフィール

ハラジュンリョウ

Author:ハラジュンリョウ
大分市明西寺住職。
1972年生まれ。
武蔵野美術大学彫刻学科卒業。

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