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モダン好きはモダン?


Istanbul, Turkey , 1995

昨日(5/23)の日経新聞文化面で
大正時代のモダンガールに憧れ、モダンガールのライフスタイルを
追及している女性が紹介されていました。

その30代の女性は、当時のファッションを再現するべく
当時の服や帽子を骨董市で探し、なければ裁縫してつくり、
日頃から、その格好に身を包んで街を歩いているそうです。

さらに、外見を模倣するだけでは真の魅力に迫れない!と考えた彼女は、
当時の生活様式も真似ることにして
大正時代に建てられた洋館に住み、洗濯は洗濯板とたらいで、
携帯電話を持たず黒電話にし、テレビを持たずラジオを聴き、
音楽はSPレコードを蓄音機でかけて楽しむという徹底ぶりで、
同好の士とともに生涯かけてモダンガールを追及していきたいそうです。

一読した感想は・・・
「それって、モダンじゃないじゃん(笑)」

当時のモダンガールだった方からすれば
「古い格好してるわね」と言われそうです。

懐古趣味とは対極の生き方をしていたのがモダンガールでしょう。

4年前に94歳で亡くなった家内の祖母がまさにモダンガールで
周りが日本髪、着物ばかりの中で断髪にパーマ、洋装という流行の最先端で街を闊歩していたそうです。

先取的で、流行に敏感、食べるものがなくても、カッコつけ
亡くなる直前まで月に一度は美容室に行っていた位、おしゃれ好きな人生でした。


もちろん個人の趣味嗜好にケチをつけようなんて気はサラサラなくて


このように
過去に革新的で一世を風靡したものを愛着するあまり、
守旧的になる現象
は、
どこにでもあると、思ったんです。


浄土真宗の僧侶は他の宗派と違い鎌倉時代から妻帯しているという歴史があります。
それはなぜかと言うと、宗祖の親鸞聖人が妻帯していたからですが
(※浄土真宗以外は明治時代になるまで
 幕府により結婚(というよりも女性と関係を持つこと)を禁じられていました。)

今の日本で僧侶が結婚し家庭を持つのは当たり前の風景で
独身だと、檀家さんから早く結婚しないとねといわれるくらいですが、
鎌倉時代に公明正大に妻帯するというのは、どれほど衝撃的だったか。
(隠れて妻帯していた僧は結構いたそうです)


親鸞という人を考えるに

「食べる」ことよりも
「師の教えにしたがって生きる」方を選んだ

人生だと言えます。

「食べる」ことを優先するならば
9歳から20年も過ごした比叡山を降りるなんてことをする必要はなかったでしょうし、
法然上人門下に入ったことにより前科者になるなんてとんでもないことですし、、
「坊さんなのに結婚して、子供までいるの!」
なんて当時の世間から顰蹙買うような生き方は、あまり賢くないでしょう。

でも、それを選んだ。ということは色々な意味で非常に厳しい生き方です。

ひるがえって現代の日本の僧侶の私にそのような厳しい感覚はありません。
(妻帯しているという)外見は同じでも、中身は全く違う!ということと、
仏教は「食べる」ための教えではない、ということは忘れてはならないと思います。



浄土真宗が国内最大級の宗派になったのは
「中興の祖」といわれる室町時代の蓮如上人の積極的な布教活動によるものです。
「御文」(御文章)という手紙で布教したことにより爆発的に教線が拡大しました。

その歴史的な成功体験があるものだから、500年以上経った今も「御文」を
昔と変わらない読み方で語り継いでいますが、

蓮如上人からすれば、「まだそんな古いやり方をやってるのか」と呆れることでしょう。
蓮如上人の時代は、識字率が低かったので、
文書を音読させることによって耳から教えを伝えるという作戦をとり
そこには、良いことをどうにかして伝えたいという親切心があったからでしょう
(真宗の立場からすれば、ですが)。

伝えることを第一に考えれば、現代は現代にあった効果的な伝え方があるでしょう。
もちろん伝え方という方法論でなく、誰に何を伝えるのか内容の方が重要ですけれど。


つい、私達が勘違いを犯してしまうのは、
歴史上の人物を現代の自分に関係ない「昔の人」と捉えがちですが
いつどの時代でも、その時代には「現代人」しかいません。
時代に翻弄され、時代と格闘している「今を生きている人」がいるだけです。

昔を懐かしむのもよいですが、もっと今に生きなくてはなりませんね。


生きとし生けるものが幸せでありますように
このブログを読んでくれたあなたが幸せでありますように

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プロフィール

ハラジュンリョウ

Author:ハラジュンリョウ
大分市明西寺住職。
1972年生まれ。
武蔵野美術大学彫刻学科卒業。

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