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「佛」~ほとけと呼ばないで

サーンチー ブッダ坐像
India , 1999

「佛」は、buddha(ブッダ)の漢訳ですが
ただ、音写しただけでなく、意訳もされていて
古代中国の翻訳文化の高さに感心します。

つくりの「弗」は「・・・でありながら、そうであらず」という意味があり、
「沸」ですと、「水」+「弗」で、沸かすことによって、
水が水でないもの(お湯)になるということを表わします。

「佛」ですと、「人」+「弗」で、
(お釈迦さまが)人として生まれながら、
人を超えた存在(=ブッダ)になったことを表わしています。

ですから「仏」よりも旧字体の「佛」の方がブッダの表記にふさわしいですね。
また「佛」の読み方ですが
「ぶつ」とも「ほとけ」とも読みますが、

「ぶつ」は当然「ブッダ」の読み方そのままですが、
「ほとけ」は死人を意味することもあり、ブッダ(覚者)の意味とかけ離れています。

この「ほとけ」が、実はあまり良い意味でないことを示す資料があります。
少々長いですが、引用します。


浄土真宗の開祖で知られる親鸞聖人(1173-1262)の『正像末和讃』に

「善光寺の如来の われらをあわれみましまして
 なにわのうらにきたります 御名をしらぬ守屋にて 」

「そのときほとおりけともうしける 疫癘(えきれい)あるいはこのゆえと
 守屋がたぐいはみなともに ほとおりけとぞもうしける」

「やすくすすめんためにとて ほとけと守屋がもうすゆえ
 ときの外道みなともに 如来をほとけとさだめたり」

「この世の仏法のひとはみな 守屋がことばをもととして
 ほとけともうすをたのみにて 僧ぞ法師はいやしめり」

「弓削の守屋の大連(おおむらじ) 邪見きわまりなきゆえに
 よろずのものをすすめんと やすくほとけともうしけり」


現代語訳は、

【長野の善光寺の阿弥陀如来は、私達日本人を哀れんで
 難波(大阪)の都に来られました。当時仏像の名も知らなかった日本で、排仏派の物部守屋は

 その時熱病が流行っていたのを仏像のせいにするため「ほとおりけ」(熱病)と呼んだのです。
 熱病が流行るのはこの「ほとおりけ」のせいだと。
 守屋と同じく排仏を主張する者はみな、「ほとおりけ」と呼んだのです。

 仏教の悪評を言いやすくして広めるために、「ほとおりけ」ではなく「ほとけ」と守屋が言い始めたので
 それで仏教徒以外は皆一様に、如来のことを「ほとけ」と呼ぶように決めたのです。

 今の世の仏教徒までもが、守屋が名付けたのを理由に
 「ほとけ」と呼んでいる情けない実情ですから、僧、法師という名が卑しめられることになったのです。

 河内の弓削にいた高官の守屋が、排仏の邪見はなはだしかったので
 全ての人々にその悪評をすすめようとして、言いやすく「ほとけ」と呼んだのです。】

  『傍訳親鸞聖人著作全集 第六巻 和讃・消息篇』(四季社)より


親鸞聖人かなり怒っている感じですが、このような経緯を知ると
仏教徒ならば「佛」を「ほとけ」ではなく「ぶつ」と呼びたいものです。


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プロフィール

ハラジュンリョウ

Author:ハラジュンリョウ
大分市明西寺住職。
1972年生まれ。
武蔵野美術大学彫刻学科卒業。

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